2013年10月20日日曜日

奈良・大和郡山「季節料理 翁」


近鉄奈良線・筒井駅近くのホテルからタクシーを走らせて、
予約を入れていた大和郡山市紺屋町の「翁」という店に行った。
茶道のH先生とご一緒の夕餉の席である。


大和郡山は城下町。

織田信長の時代に大和一円を治めた筒井順慶によって
かれた「郡山城」は、羽柴秀長に受け継がれて、
急速に近世城下町としてととのえられたという。

紺屋町は、JR郡山駅と近鉄郡山駅に挟まれた地域。
ここには、他にも 当時からの町名である、
豆腐町、錦町、材木町、塩町、魚町などが残っている。

























風情ある町並みを車は進み、店に着いた。
店の前には細い水路が流れている。


石造りの大きな蛙や兎が出迎えてくれる、
楽しげな入り口である。





























店内に入り、4人並んでカウンター席に。
H先生が車椅子のまま入れる席である。
 
今日の慈光院での茶会が無事にすんで、
ほっとした空気が流れていた。

日本酒が似合うのかもしれないが、みな銘々に好きなお酒をたのむ。
まずは祝杯を挙げねば。

ワインもすっきりとした味わいの、和食によく合うものが
置いてあった。




















突き出しは、 蓮根梅肉和え・衣かつぎ・菊菜お浸し・鯛の子・栗・枝豆。
お月見にちなんだ献立である。

























次にお造り。
鮪・かんぱち・ホタテ・鯛が、兎をかたどった皿に盛られている。






























焼き物は、 鰤の照焼。
たれの味が甘すぎずからすぎず程よかった。




















アツアツの、カニクリームコロッケは絶品。

















酢の物は、さらし鯨に酢味噌。
やわらかい酢味噌の味もよいが、ミョウガの新鮮さが際立った。




















ごはんは、 きのこ御飯イクラのせ。

















おしまいの水菓子は、 洋梨とアイスクリーム。
あっさりした甘味が嬉しい。





















魚も野菜も、新鮮な素材を美味しく食べてもらいたい、
という気持ちで包み込み、差し出されたような、
そんなお料理だった。
 



帰りがけ、タクシーを呼ぼうとしたら、
先ほどまで包丁を握っていた店主が車でホテルまで送ってくれると言う。
ありがたかった。
こころあたたまる厚意に感謝。


雨も上がり、しっとりと大和の夜が更けていった。







0 件のコメント:

コメントを投稿