2015年2月3日火曜日

<東葉高速線沿線さんぽ> 高津比咩神社と観音寺


この可愛らしいクッキーは、
パティスリー「ラ・シエスト」(八千代市緑が丘3-7-4)のもの。

モデルは、高津姫。平安初期の貴族・藤原時平の娘である。




















クッキーのパッケージに書かれた説明を読むと・・・。

藤原時平は、政敵・菅原道真を901年に大宰府へと左遷した人物。
しかし、その2年後道真が亡くなると、京の都は落雷や疫病にみまわれ、
人々は道真の祟りと恐れた。時平も早逝する。
時平の奥方と娘は、祟りを恐れて、舟で遠く下総の地までやってくる。
高津に移り住んだ姫は、人々に慕われた。
亡くなったあと、お墓のある場所に神社が建てられたとのことである。





















数日前、この高津姫クッキーに出合い、
姫を祀った「高津比咩神社」を地図で探しだすことができた。

そして「今日こそはお姫様に会いに行くぞ」という気持ちで出かけた。

八千代緑が丘駅前から、京成本線・八千代台駅行きのバスに乗り、
公園都市通りから広大な高津団地内を通り過ぎていく。
「高津小学校」「大門入口」「高津団地入口」「高津川」「高津石橋」
と、バス停が続き、この辺か?とバスを降りる。

地図を見ていた時は気づかなかったが、「高津川」という川があるのだ。
橋が見つかれば、それを渡れば、神社はすぐに見つかるだろう、と思った。

川も橋も、コンクリートづくめで、少しがっかりだったが、
その先に急に現れた豪農の家並みには、圧倒された。























立派な瓦屋根の家々の間に参道らしき道が見え、
緩やかな上り坂を行くと、背の高い木立に囲まれるようにして、
鳥居が見えてきた。
高津比咩神社である。



 





































小ぶりな鳥居だが、
木造の鳥居の前に石の鳥居があり、二重になっている。




























拝殿も小さいが、しゃれた感じがある。


 

細部の装飾は繊細で瀟洒で、京文化の香りがするようだ。

 


















石灯籠や狛犬もどこか「女性」を感じさせる柔らかな姿である。



























拝殿の奥にある本殿は、囲まれていてよく見えなかったが、
カメラを差し入れて写真を撮ってみると、
立派な浮彫が施されていた。






























空高く伸びた枝に紅い花をつけて、まるでお姫様を見守るかのように、
椿の木が凛とした風情で立っている。







































上へ上へと気持ちよく伸びる木立が天井をつくり、
一帯を別世界にしていた。





























































お姫様が昔も今も人々に大事にされていることが伝わってくる。

今日は節分なので、豆を入れた升を持って近隣の方が訪れ、
拝むときに拝殿の前にぱらぱらと豆をまいていかれた。

拝殿の中からは「雅楽」の音が(テープなのかもしれないが)、
切れることなく流れつづけていた。

ちょうど神社の裏側にあたる地に立つ観音寺には
姫が都から大事に持ってきた十一面観音が納められているという。
寺の火事で焼失してしまったので、
いまは後世のつくりのものだそうだが。











 
帰りは、バスで来た道を歩いて戻った。
写真を撮りながらだったので八千代緑が丘駅まで30分以上かかった。





















途中、「ラ・シエスト」の前を通る。
今年の5月でオープン2年を迎える、まだ新しい店である。

それにしても、子供たちにも親しんでもらえるクッキーという形に仕立て、
地域の文化を伝える姿勢は素晴らしい!
心の中で拍手を送った。



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