昭和49(1974)年10月に開館した千葉県立美術館。
建物の老朽化にともなう耐震改修工事のために、
平成25年1月から約2年間閉館していたが、ようやく工事が終わり、
開館40周年を祝う特別記念展「平山郁夫展-仏教伝来の軌跡、そして平和の祈り-」
(1/24-3/22)が始まった。
まだ、訪ねたことのない美術館に、同展を観に行った。
八千代緑が丘から西船橋へ出て、JR武蔵野線で南船橋へ。
そこからJR京葉線で5駅目の千葉みなと駅。
初めて降りる駅である。
西口を出て、左方向に進むと、
ホテルオークラ千葉の建物が正面に迫り、
大通り(臨港プロムナード)にぶつかる。
そこから右方向(千葉中央港の方向)へ。
千葉ポートタワーを見ながらしばらく幅広い歩道を歩いた。
大きく育った街路樹が枝を伸ばす。
その木陰を歩くのが、気持ちよかった。
千葉中央郵便局前の歩道の様子。
木々の枝が歩道に面白く影を落としている。
どんな美術館が現れるのだろう。
わくわくしてきた。
大きな郵便局の建物の前を過ぎると、視界が開けて突然美術館が現れた。
広々とした敷地を使ってひろがる建物。
こののびのび感は、埋立地の利用のたまものであろう。
美術館の建築について質問したところ、
「東京都美術館と同じ頃に建てられ、よく比較されるのですよ」
と、美術館受付のスタッフの方が教えてくれた。
確かに、外壁のタイルの色や方形のモチーフを連ねたような外観に
関連性を感じる。
上野にある東京都美術館は1975年、前川國男(1905-1986)の設計。
こちらは1974年、大高正人(1923-2010)の設計。
大高正人は1949~1962年前川國男建築事務所にいて、その後独立した。
子弟関係があったということが、あとで調べてみてわかった。
展覧会は、滋賀県守山市の佐川美術館の所蔵品を中心に、
本画や素描など約90点から構成されていた。
シルクロード・仏教伝来をテーマとして描き続けた日本画家・平山郁夫(1930~2009)。
郷里の瀬戸内海・大三島に、開館したばかりの平山郁夫美術館を訪ねた懐かしい思い出がある。
生前ご活躍中には作品をたくさん拝見してきたが、
亡くなられたあと、こうした大きな規模の展覧会を観るのは今日が初めてである。
悠久の時が流れるシルクロードの自然や遺跡。
京都や奈良に遺された日本の美。
それらを見つめつづけ、1枚1枚を描くたびに重ねられてきた思いが、
強い「平和への祈り」となって、一気にこちらに伝わってくるようだった。
アフガニスタンのバーミヤン石仏の破壊は
私たちにとっても忘れられないショッキングな出来事であり、
今も、崩れ落ちる大きな石の仏像の映像が目に焼き付いている。
あの事件以降とくに、世界の文化財保護への活動に
心血を注いでこられたことも忘れられない。
「遺跡を守ることは人の心を守ることである」という言葉が心にのこる。
若き日の被爆体験と、遺された歴史と文化の大切さを肌で感じてこられた
平山郁夫さんだからこそのお仕事ぶりだったと思う。
平山郁夫さんが亡くなったいま、その思いをつなぐのは誰なのか。
こうして展覧会を観たものが少しでも、その意志を継ぐ方向へと
足を踏み出さなければならないのではないか。
帰る道々、そんな思いが膨らんできた。
美術館を出たのは16時半。
乗り替えの南船橋駅には、うっすらと夕闇が迫っていた。
(JR京葉線)
(JR武蔵野線)
八千代緑が丘から西船橋へ出て、JR武蔵野線で南船橋へ。
そこからJR京葉線で5駅目の千葉みなと駅。
初めて降りる駅である。
西口を出て、左方向に進むと、
ホテルオークラ千葉の建物が正面に迫り、
大通り(臨港プロムナード)にぶつかる。
そこから右方向(千葉中央港の方向)へ。
千葉ポートタワーを見ながらしばらく幅広い歩道を歩いた。
大きく育った街路樹が枝を伸ばす。
その木陰を歩くのが、気持ちよかった。
千葉中央郵便局前の歩道の様子。
木々の枝が歩道に面白く影を落としている。
どんな美術館が現れるのだろう。
わくわくしてきた。
大きな郵便局の建物の前を過ぎると、視界が開けて突然美術館が現れた。
こののびのび感は、埋立地の利用のたまものであろう。
美術館の建築について質問したところ、
「東京都美術館と同じ頃に建てられ、よく比較されるのですよ」
と、美術館受付のスタッフの方が教えてくれた。
確かに、外壁のタイルの色や方形のモチーフを連ねたような外観に
関連性を感じる。
上野にある東京都美術館は1975年、前川國男(1905-1986)の設計。
こちらは1974年、大高正人(1923-2010)の設計。
大高正人は1949~1962年前川國男建築事務所にいて、その後独立した。
子弟関係があったということが、あとで調べてみてわかった。
展覧会は、滋賀県守山市の佐川美術館の所蔵品を中心に、
本画や素描など約90点から構成されていた。
シルクロード・仏教伝来をテーマとして描き続けた日本画家・平山郁夫(1930~2009)。
郷里の瀬戸内海・大三島に、開館したばかりの平山郁夫美術館を訪ねた懐かしい思い出がある。
生前ご活躍中には作品をたくさん拝見してきたが、
亡くなられたあと、こうした大きな規模の展覧会を観るのは今日が初めてである。
悠久の時が流れるシルクロードの自然や遺跡。
京都や奈良に遺された日本の美。
それらを見つめつづけ、1枚1枚を描くたびに重ねられてきた思いが、
強い「平和への祈り」となって、一気にこちらに伝わってくるようだった。
アフガニスタンのバーミヤン石仏の破壊は
私たちにとっても忘れられないショッキングな出来事であり、
今も、崩れ落ちる大きな石の仏像の映像が目に焼き付いている。
あの事件以降とくに、世界の文化財保護への活動に
心血を注いでこられたことも忘れられない。
「遺跡を守ることは人の心を守ることである」という言葉が心にのこる。
若き日の被爆体験と、遺された歴史と文化の大切さを肌で感じてこられた
平山郁夫さんだからこそのお仕事ぶりだったと思う。
平山郁夫さんが亡くなったいま、その思いをつなぐのは誰なのか。
こうして展覧会を観たものが少しでも、その意志を継ぐ方向へと
足を踏み出さなければならないのではないか。
帰る道々、そんな思いが膨らんできた。
美術館を出たのは16時半。
乗り替えの南船橋駅には、うっすらと夕闇が迫っていた。
(JR京葉線)
(JR武蔵野線)
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