2014年3月19日水曜日

目黒雅叙園「百段階段×いけばな2014」へ


この日は、駒場の日本民藝館と旧前田侯爵邸を見学したが、

もう一つ欲張って観る、と決めて目黒へと向かった。



目黒雅叙園に着いたときには、午後1時半を回っていた。

まずは、館内の渡風亭の「鯛茶御膳」で昼食をとる。

鯛のお造りに、ごまだれ(この味が絶品!)をまぶし、

白いご飯に載せて、海苔とみつばを盛り、だしの入った番茶をかける。

食事のあとのお茶も美味しく、ほっと一息。

午前中から歩き回っていたので、ここでちょっと休憩である。






















ゆっくりと、いけばな展会場へ。

開催中の「いけばな×百段階段2014」は、

目黒雅叙園内にある、東京都指定有形文化財「百段階段」を舞台にして、

51に及ぶ華道の流派の花を、約2ヶ月(3/18~5/18)の期間を9期に分けて

見せていくというものである。























昨日から第1期が始まっている。

池坊、古流松東会、遠州流(山本)、御室流、青蘭流。

エントランスロビーには、

池坊次期家元・池坊由紀さんの作品が展示されていた。




















受付を通り、エレベーターで上の階へ。

そこで履物を脱ぎ、

古めかしい、昭和10年築の木造建築の中へと進む。

「十畝の間」「漁樵の間」「草丘の間」

「静水の間」「星光の間」「清方の間」「頂上の間」

と呼ばれるそれぞれに贅を尽くした7つの座敷をつなぐ

ケヤキの九十九段の階段廊下があり、

これら7つの部屋と階段を含めた木造建築の館を

通称「百段階段」と呼ぶ。

「昭和の竜宮城」とも呼ばれる別世界。

各座敷の、壁、天井、床の間、欄間、柱…

すべてが装飾で埋め尽くされている。

独特の美の空間で、

生けられた花の美しさを楽しむという贅沢な仕掛けである。

普段はホテルや百貨店、ギャラリーなど、

白い壁の展覧会会場で見ることが多い生け花作品であるが、

床の間や違い棚などがある重厚な空間の中で見ると、

青銅(からかね)の器に生けられた立花が

本来の場を与えられ喜んでるのか、活き活きと見えてくる。

池坊の「立花正風体」は、このような堂々たる日本建築にふさわしい、

格の高い生け方なのだ、と納得する。



いつも、この「百段階段」の会場で観たいと思いつつ、

機会を逃してしまうのが、

毎年、3/3までの期間で展示する、雛人形・雛道具である。

2010年から始まり今年は5回目「雛の晴舞台」。

1~5回までの写真をつぶさに載せたカタログを売店で見つけた。






 

眺めていると、日本各地のお雛様を訪ね歩いているような、

うきうきした気持ちになってくる。

迷わず買い求めた。



「文化財ガイド付き見学ツアー&ディナー」という

夜のツアーもあるらしい。

漠然と眺めているだけでは、

細やかな装飾のすべてを見尽くせないので、

「説明付き」は魅力かもしれない。



次の「雛の晴舞台」は約1年後であるが、

豪華な空間での雛人形たちの宴を、

一度見てみたいと思っている。









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