市川新蔵ファンの4人が揃って観劇。
と言っても、私のほかの3人は初めての顔合わせ。
茶道関係の年上の友人、学生時代の同級生、元職場の若い同僚、と
とり合わせがバラエティに富んでいる。
「木挽町 辨松」に立ち寄り、お赤飯のお弁当を4つ調達。
4人同じお弁当にして、ゆっくりと場内の席で食べたいと思ったから。
新橋演舞場へと急ぐ。
新春の、華やかな舞台を想像するとわくわくし、
着物を着ていてもゆっくりと歩くことができず、自然に小走りになる。
10時半の開場前に着いてしまったのでしばらく周辺散歩。
ロビーには、お正月らしいしつらいが。
中に入れば、海老蔵襲名の折に亡き團十郎丈が描かれたという
海老の絵をあしらった幕も。
ファン(贔屓)を大事にする、成田屋らしい心遣いである。
『壽三升景清』は、歌舞伎十八番の『景清』『関羽』『解脱』『鎌髭』を、
通し狂言として構成した作品。
「壽」と冠を付けただけあり、その華やかさ、おおらかさは、期待通り。
海老蔵、獅童、芝雀…それぞれの味を出している。
また、目を見張ったのは、福太郎ちゃんの成長ぶり。
相変わらずの愛らしい姿・声ではあるが、子役からはすでに脱皮した演技。
引き付けられるものがあった。
これからの成長が楽しみである。
我らが新蔵さん、成田屋の中では「十二代團十郎の一番弟子」。
今回は、厳めしい中国の武将になったかと思えば、
道化役まで、幅広く演じており、本当におつかれさま。
「荒事」らしい演技に加え、津軽三味線の力強い音も耳に残り、
劇場を出てからも高揚した気分は続いていた。
その日の夜、銀座2丁目の蕎麦店「流石本店」へ。
翌日の舞台にさしつかえない程度に、
新蔵さんにもお付き合いいただき、「新年会」の場に。
昼間のメンバーは少し入れ替わり、あと3人が合流して、
6人の会となる。
お酒もおつまみも美味しく、器も楽しみながらの席となった。
シメはやはりお蕎麦で。
細めの蕎麦とダシのよく効いたつゆは絶品。
昼の部に続いて、特別編・夜の部も楽しく過ぎた。
成田屋は、團十郎丈を失ってちょうど1年。
今回の舞台の構想は、海老蔵が数年前から温めていたものだという。
晴れて上演できて、ご本人が一番ほっとされているにちがいないが、
木挽町のあちらこちらから、贔屓の方々の安堵の思いが、
ほわっと立ち上ってくるような、そんな夜だった。
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