歩いて15分の距離の京成バラ園まで、
バラの咲き乱れる季節でもあり、
足を運ぶことが多くなった。
母と散歩をしたり、
自分の健康のために歩いたり、
バラ好きな友人を案内したり。
そのついでに、
園に併設されたガーデンセンターへも
立ち寄る機会が増えた。
バラ以外にもたくさんの植物の鉢植えや苗を売っているし、
ガーデニングに必要な道具類が揃っていて、
ガーデニング好きにはたまらない場所である。
最初は見るだけだったが、
次第にひとつふたつと、苗、鉢、土を買い、
せっせとマンションのベランダへと運ぶようになった。
1ヶ月くらいたった今、
そこは、ガーデニングを楽しむための秘密の、小さな空間になってきた。
近所のバラ園との付き合いが、
少しずつ少しずつ生活の中にも入りこんできた感じである。
伸びすぎたり、混んできたりした花や葉は摘んでガラスの器に挿し、
家の中で眺めて楽しむこともできる。
ハーブ類は料理の彩りにもなってくれる。
ベランダはよく風が通り日も当たり、
思っていたよりも乾燥が早いので、暑い日は朝夕に水やりする。
アブラムシを見つけたらすぐに水で洗い流す。
元気がなければ入念にチェックする。
毎日のちょっとした変化に一喜一憂。
ベランダにしゃがみこんで、植物の姿を眺め続けていると、
あきることなく時間が過ぎる。
買った苗にたいてい付いてくる、
植物の名前と育て方が書かれた札は、
土を落として綺麗に洗い、
ノートに貼りつけて時々取り出して見ている。
ベランダの片隅の鉢植えの植物たちは、
こうして徐々に私の生活に入り込んできた。
そして気がつけば、
「日々隣りにいてくれる」存在になりつつある。
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