JR鶯谷駅南口を出て言問通りを渡り、うぐいす通りを進むと、
通りに面して左側に、「西蔵院」というお寺がある。
すっきりとしたモダンな本堂と美しいお庭が
とても印象的なところでるある。
お茶会やイベントで何度か足を運んだことがあるが、
今回は私自身がお抹茶の席をもつことになった。
お茶室を拝見し、ご住職にお話を伺ったあと、
この地域に気持ちがなじむよう、少し歩き回ってみることにした。
上野の寛永寺の裏手にある、この谷地は「根岸の里」と呼ばれている。
上野輪王寺宮公弁法親王が京都から取り寄せた鶯100羽を
放ったとの伝承があることから「鶯の里」とも言われる。
これまで、鶯谷駅を降りて、寛永寺の方向に向かい、
国立博物館へ行くことは何度もあったが、根岸方面の散策は初めてである。
まずは、「うぐいす通り」をきょろきょろしながら歩いてみた。
歩けばすぐ、おせんべい屋さんやかりんとう屋さんがこ見つかるのが、
下町っぽくてこころが浮き立つ。
そして、最後に茶会で使う和菓子をさがして、
老舗「竹隆庵 岡埜」へ。
「こごめ大福」が、店の一番の売りのようである。
江戸庶民の間で喜ばれたお菓子に「こごめ餠」があり、
ある時、根岸の里の茶屋がこの餠に餡を入れ、
上野輪王寺宮公弁法親王に献上したところ、
お誉めの言葉をいただき、これを「こごめ大福」と名づけられた、
との説明があった。
茶席では、せんべいや大福とはいかないけれど、
いろいろ買ってみた。
お店の人と話したかったから、ということもある。
みな、自分の店の品にとても誇りを持っているのがよくわかった。
土産物は、地図と絵葉書と菓子。
ほんの1時間くらいの散策のあとは、まるで小旅行のあとのような
ありさまになった。
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