2016年4月22日金曜日

白金台~高輪台(三友居・畠山記念館)


連日のぐずぐずした空模様、昨日の雨が嘘のような、
からりとした初夏の空が広がった。

1ヶ月前に企画し、ランチの店の予約をしたので、
お天気までは読めるはずもなく、
全く運がよいとしかいいようがない。

11時に白金台駅(出口2)に集合し、歩き始めた。

本日の参加者は5名。
昨秋、根岸の寺・西蔵院で茶席の準備・運営を
一緒に担当したお仲間である。

目黒通りから桑原坂に入り、
目指すは、ランチを楽しむ「三友居・高輪店」であるが、
道行を楽しむために、八芳園に立ち寄り、庭園をめぐってから行くことにした。




















八芳園は、今は亡き茶道の先生方がまだお元気だった頃、
記念茶会を催したところで、20代だった私も「お運び」で参加した。
懐かしい場所だ…。
木々の緑と、来客のとりどりの着物の色・色・色。
今も鮮やかに目の前に浮かぶ。

















今日は、庭園内で、何組もの記念写真撮影中のカップルに出会った。
新緑に婚礼の衣装が映え、美しい写真が撮れたに違いない。

八芳園を出て、明治学院の脇を通り、桜田通りを越えると、





















高輪警察署と消防署のレトロな建物が見えた。
警察署の隣りには、高野山別院も見える。
 
警察署前の交差点を左折し、二本榎通りに入る。
この通りは、日本橋を出て品川の宿ヘと続く旧東海道であるという。
地図で見ると、たくさんのお寺が通り沿いにある地域である。

































(近くの松光寺の前に掲げられた江戸期の古地図)

ちょうど12時、「三友居」に着いた。
京都に本店を構える茶懐石の店である。







































卯月のお料理は、筍と鯛づくし。

繊細さが際立った盛り付け、素材を生かした味付けが
いかにも京都のお店らしい。






























懐石料理、器、茶事の流れ、作法、流派による違いなど
「お茶事」についての話が弾む。
静かな空間で、ゆったりとした時を過ごさせてもらえた。

2時間近くいただろうか、お店の方とも言葉を交わしつつ、
外へ出れば、通しの向こう側に、和菓子店「柳屋」。



















高輪名物の小ぶりのどら焼き「布袋焼」はすでに売り切れていたが、
ご店主の「お柏はいかがですか?」の一言で、
柏餅をいただくことにした。











家に帰ってから味わったが、
晒してすっきりとした味わいの餡が印象的だった。

次は、高輪台駅に向かい、10分ほどの道のりだ。
車の通りが激しい桜田通りと二本榎通りは避け、
その間にある「仲二本榎通り」を選んで歩いた。

さらにその先、「畠山記念館」へ。

畠山記念館の手前には、今は大きな白い洋風の建物が建っている。
かつてこの周辺は「般若苑」があり、茶事を行ったことがある、と
懐かしむ声も上がった。

変わらぬたたずまいの記念館の門に辿りつき、ほっとする。
新緑の美しい庭と茶室を眺めながら本館へ。

現在は「光琳とその後継者」展を開催中(2016/4/2~6/12)。






































記念館蔵の光琳作品、光琳の周辺で活躍した弟・乾山、渡辺始興はじめ、
江戸で光琳に傾倒し、研究をつづけた酒井抱一の絵画や工芸作品が展示されている。

展示室内に設えられた茶室に入り、
お抹茶もいただいた。

暗い中に浮かび上がる、床の間の白い芥子の花が印象的だった。
作品に近寄ったり離れたりしながら眺め、感想を交わすのは楽しく、
今日、友人たちと来ることができたことをしあわせに思った。





















解散は、16時過ぎ。
豊かにしげる木々に見送られながら高輪台駅に向かった。


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