2013年12月1日日曜日

12月大歌舞伎『仮名手本忠臣蔵』初日

















12月大歌舞伎『仮名手本忠臣蔵』初日・昼の部を観にいく。

10時半開場、11時開演であるが、東銀座駅に着いたのは9時40分頃。

お店もまだ開いていないだろうと思いながら、目的の店、

歌舞伎座向かい側にある「木挽町 辨松 本店」へ行ってみると、

こういう日はやはり特別早くに開けるらしい。












10時前でもお弁当を買うことができた。












































お弁当とお茶を購入して、安堵。正面で写真などを撮っていると、

お稲荷さんの前で、神主さんのお祓いが始まり、

集まってきた人々は、浮き立つ心を抑えきれない、といった風情である。

始まる前のこの空気感。いいよね。

歌舞伎座の建物を前にすると余計に気持ちが高ぶってくる。

初日を祝うかのような快晴の空も気持ちよい。

あまりにもまだ時間があるので、地下の木挽町ひろばに行ってみると、

こちらのお店も10時からオープンしていて、

お土産を先に購入しようとする人々で混雑していた。




























お店を回った後、腰をかける場所などもあるけれど、

やはり、1階正面で観劇客の着物姿など眺めながら待つ方がよい。

エスカレーターで1階に上がる。



















今年は、私にとって歌舞伎元年ともいえる年で、毎月のように観ている。

新しい歌舞伎座も今日が5回目なので、

人込みを避けてすっすっと目的地に進むことができる気がする。

そのこともなんとなく気持ちがよい。

音声ガイドを借りる場所や筋書を買う場所、トイレの場所なども

頭に入っている。

開場から幕開きまで30分の間に、いろいろ済ませようとすると、

かなり忙しい。

一気に人が流れ込んだロビーでスムーズに動こうとするのは難しい。

音声ガイドは開場前に外で借り、筋書きは入ったらすぐに買う。

トイレも右側の階段をトントントンと降りて行けばすぐ。

今の歌舞伎座のトイレは長い行列ができていてもすぐにはける。

トイレの数が多いし、係員のさばき方がいい。

そこはとても気持ちよくなった。

お弁当も歌舞伎座内で買おうとするとじっくり選べないから、

周囲にもっとお店があるとよい。

開店時間が10時半になった銀座三越について、

地下のお弁当コーナーだけでも10時から開けるとよいのに、

という提案があったが、なるほど何回も歌舞伎座に来ている方は、

もっといろいろなお弁当を食べたい、という気持ちになるかもしれない。




今日、ご一緒したKさんは、途中でチケットを忘れたことに気づいて

家に一旦引き返されたという。

事故もなく、間に合ってよかった。

そういえば…と自分の過去の失敗を思い出した。

私は、新橋演舞場で劇場に来てからチケットがないことに気づいたことがある。

しかし、席の番号を覚えていたので、

受付で名前などを書類に書き込み、通してもらった。

あとから手元のチケットを劇場宛に送ることで許してもらえた。

自由席ではこうはいかないだろう。

ありがたかった。



会場内も、初日は着物姿が多いようだ。

もちろん私も着物にした。

ぴったりとはいかないけれど、演目や季節を考えて。

舞台の役者さんからも華やかな観客席の様子はよく見えるのだそうだ。

観客側の熱が役者に伝わることは間違いない。

今日は、桟敷席に舞妓さんの姿も見えた。


















11月の顔見世大歌舞伎も同じ演目『仮名手本忠臣蔵』だったが、

ベテランの揃う11月よりも12月の方がチケットの売れいきはよかったようだ。

売り出してすぐに完売になった模様である。




11月は、塩冶判官を菊五郎、桃井若狭之助を梅玉、高師直を吉右衛門が演じた。

12月は、それぞれ菊之助、染五郎、海老蔵、と若手3人が演じる。

11月は観ていないが、お父さんの塩冶判官と比べてみたかった。

非常に凛とした姿が美しい菊之助の判官であった。

手術後の三津五郎に代わって演じる海老蔵は師直は初役だという。

老け役を、少し滑稽味をまじえながらよく演じている。

3人が揃って見得を切る姿は、それぞれに上背があることもあり、見事だった。




大星由良之助役は幸四郎。若手の中に渋さを加えて引き締めていた。

しかし、この役も仁左衛門が演じるはずだった。

と考えると、病気で倒れる役者がつづいていることが心配である。

名優たちの姿がまた見られることを楽しみにしたい。




玉三郎、海老蔵の道行は、想像した通り、いやそれ以上の美しさ。

二人が踊りだすと、期待感からざわざわしていた観客席が水を打ったよう。

玉三郎にしか醸し出せないだろうと思われる可憐さを、抑えた動きの中に表していく。

やはりベテランの味。引き込まれる。

二人が花道に立ったところで、客席から、「お似合いですよ!」と声が飛ぶ。

この舞台も、海老蔵の飛躍のためにうんと役だったのではないだろうか。

新春の新橋演舞場の舞台も、楽しみである。






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